| 第7回 <難治例>
※高野医科クリニックの畑三恵子先生の「アトピー性皮膚炎と上手につきあう方法」から抜粋しました。今回は難治例についてです。
アトピーは年齢が上がるにつれて難治例が増加します。
アレルギーが合併していて原因除去ができない場合、精神的なコントロールが子どもだけでなく、家族にも必要な場合があります。
特に家族にかかる精神的な負担は大変大きな問題点です。
アトピーが悪化すると「かわいそう」という気持ちがお母さんに働くため、普段なら怒ることも逆に甘やかす傾向があります。
これにおじいちゃん、おばあちゃんが加わるとさらに子どもを甘やかします。
それが一定に甘やかすだけでなく、ときに「かいちゃダメ!」と怒ります。そうすると、いつのまにか子どもは周囲の目を自分に向けたい時に掻破行動を起こし皮疹を悪化させることもあります。
子どもははっきりと意識して行動しているのではなく、無意識に体でこのことを感じとっています。
この状態を続けていると、アトピー性皮膚炎は悪化します。そうなると家族も学校の先生も「かわいそう」と同情するため学校を休む正当な理由になってしまいます。
登校拒否の子どもをつくらないためにも、両親を含む大人の協力が必要になってきます。
どんなに子どもの皮膚症状が悪化しても大人は驚かないふりをして、決して「かいちゃダメ」と怒らずに、「薬を塗れば治るからね」と言って優しく対応しましょう。
すぐにかゆみが治まるとは思えないような皮疹でも、掻破行動が減って症状は改善されます。
たとえ顔が血だらけに悪化しても、特別扱いせずにいつも通り保育園や幼稚園に行かせ、先生方にも驚かないようにお願いをしておきます。すると子どもは、どんなに皮疹が悪化しても周囲の態度が変わらないことが分かって、皮疹を悪化させて社会から逃避することはなくなります。
アトピー性皮膚炎のある子ども達は、毎日お母さんやお父さんに1日1回は保湿剤を優しく話しながら外用してもらうことで、親と子のタッチング(スキンシップ)が行われています。
子どもにとって親の温かいやわらかい手で体に触られることは、親の愛情を感じながら育つことになります。
アトピー性皮膚炎があることは決して悪いことばかりでなく、親の愛情をたくさん受けた、思いやりのある優しい子どもに育つものと確信しています。
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