すくすくネット -けんこう- 
くすくすトーク
Dr.Nのレディースクリニック第13回
社会でばりばり働いている女性が多くなるにつれ高齢出産の割合も多くなります。
放送時間 7分23秒
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女性にとって、出産って本当に大変です。社会でばりばり働いている女性が多くなるにつれ高齢で出産されるパーセンテージが上がってきています。
そんな気になる高齢出産についてDr.Nさんにお聞きしました。

Q:出産の適齢期ってあるの?

 医学的には、卵子の状態及びホルモンバランスが最も整うのが25〜30歳くらいといわれています。
早すぎると卵子は新鮮なのですがホルモンのバランスや体そのものの準備が整いきっていなかったり、遅すぎると卵子が古くなってしまったりといったことから、大体の目安として「適齢期」と呼ばれている年齢です。
もちろん絶対この時期に産まないといけないと言うことはありません。
また、胎児奇形の起こりやすさから言うと、20〜34歳の間が最も奇形が起こりにくいといわれています。

Q:高齢出産はいつから?

35歳以上の出産を高齢出産といいます。

Q:高齢出産は妊娠中毒症になりやすい?

妊娠中毒症の発生頻度を年齢別に見てみると、初産婦さんでは34歳以下が11.3%、35〜39歳が16.7%、40歳以上が30.6%。経産婦さんでは34歳以下が6.4%、35〜39歳が7.5%、40歳以上が17.2%となっています。
このデータから分かるように、年齢が上がるにつれて妊娠中毒症は起こりやすくなってしまいます。
妊娠中毒症は、血圧が上がりすぎたりむくみがひどくなったり尿蛋白がでてしまったりといった症状がでるのですが、それらは「血管の状態」にある程度関係しているといわれています。
年齢が上がるにつれて血管そのものが古くなっていったり、血管にダメージを与える物質が多くなったりすることで、妊娠中毒症が起こりやすくなるのではないかと考えられます。

Q:高齢出産は帝王切開になるの?

 必ずしも帝王切開になるわけではありません。
37歳や38歳の初産婦さんでも、普通に元気な赤ちゃんを産んでいらっしゃいますよ。ただ、高齢出産の場合色々な理由で帝王切開になる確率は高くなります。
ある施設でのデータですが、帝王切開分娩の割合は20代では19.5%、30〜34歳では29.5%、35歳以上では44.8%となっています。
なぜ高齢だと帝王切開が多くなるのかというと、一つは筋腫などの合併症のあるケースが多いからです。
もう一つは、陣痛がきちんと来なかったり胎盤やお母さんの体の方が普通のお産に耐えられなくなってしまったりする割合が若干多くなるためです。
また、糖尿病や高血圧などの内科的な病気の合併も年齢とともに増えてしまうため、どうしても「リスクの高いお産」として初めから帝王切開を選択するケースも増えてしまいます。

Q:流産しやすいって本当?

残念ながら、本当です。
年齢に関係なく、普通の妊娠のうち10〜15%は初期に自然流産の経過をたどってしまいます。
これは、主には「自然淘汰としての流産」と言って、元々生存できないほどの染色体異常が受精卵にあったため、早い段階で自然に成長が止まってしまったものと考えられています。
受精前の卵子を調べると、約25%になんらかの染色体異常が見られます。
この卵子の染色体異常が、年齢とともに増えていってしまうのです。
35歳以上では約38%の卵子に染色体異常が見られるとの報告もあります。
また、年齢とともに妊娠を継続させる力そのものが落ちてくるのも事実です。
筋腫などがある場合は、赤ちゃんが大きくなってからの方が問題になることが多く、早産のリスクが高くなります。

Q:高齢出産でほかに気を付けないといけないことって何ですか?

 まずは合併症がないかのチェックですね。
筋腫があったり筋腫の手術をしていたり、高血圧・糖尿病・膠原病などの内科の病気があったりすると、普通の妊娠よりもこまめに健診を受けたりしなければいけません。
場合によっては食事の制限が普通の妊婦さんよりも厳しくなることもあります。
他には、もしどうしても胎児奇形が心配なら、羊水検査によって染色体を調べてもらってもいいかもしれません。
ただ、あまりそのことばかりに気を取られてしまうと、かえってストレスになりますので、基本的にはきちんと妊婦健診を受けることと、ちょっとした体調の変化に気を配ることくらいで、そこまで身構える必要もないでしょう。

Q:高齢で産むメリットは何?

高齢出産のメリットは、ほとんどありません。
お母さんにとっても赤ちゃんにとっても、どうしてもリスクの方が多くなってしまします。ただ、現代社会での女性の役割を考えると、これから高齢出産はさらに増えていくものと考えられます。
だからこそ、私たちが、何歳になっても御本人が望む年齢で安心して出産ができるよう、日々努力しないといけないわけですね。
最近では40歳過ぎの初産婦さんもちらほらいらっしゃいます。
何年か後には、排卵がある限り、安心して出産できる時代が来るかもしれません。
産婦人科の女医にとっては、一番仕事が忙しい時期が適齢期とぴったり重なってしまうため、高齢出産の問題はホントに他人事じゃないんですよ(^^;)

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