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子連れつれづれ草
執筆者 西山仁胤 広島県在住 32歳、経営コンサルタント、ライター

平成15年生まれと平成17年生まれの2人の女の子の父。

すでに娘たちの思春期&反抗期、嫁入りのことを考えて、時々ブルーになる。
最後は2人きりになる妻の機嫌を損ねずに、
老後を迎えねばと言い聞かせている、取り越し苦労親父。

2007年2月25日(日曜日)

まちぶせ

カテゴリー: - bob_nishiyama @ 00時56分04秒

妻とは高校時代に同じクラスになって、
恋をして、その後10年付き合って、結婚した。

 

高校時代、僕は応援団に、妻は新体操部に所属していた。
クラブハウスが20メートルくらい離れた隣同士にあったのだが、
新体操部の建物は鉄筋コンクリートなのに対し、
僕ら応援団はボロボロのプレハブ小屋であった。
ちょうど、キン肉マンに出てくる、「キン肉ハウス」のようであった。

 

部活から帰るとき、通学用の自転車が停めてある駐輪場に行くには、
必ず新体操部の部室の前を通らなくてはならなかった。

 

僕がまだ妻に片思いをしていた頃、
クラブ活動が終わって帰るとき、
時々、ちょうど新体操部の部室から出てきた妻と鉢合わせすることがあった。

 

妻が1人で出てきた時は、ちょっとあいさつをして、
二言三言、話をすることが出来たが、
途中まで一緒に帰る度胸と言うか、勇気はなかった。

 

妻が部室から他の部員たちと一緒に出てきた時は、
気づかない振りをして、そのまま通り過ぎた。
妻に話しかけることで、その言葉遣いや態度で、
僕が妻のことが好きであることを、
他の部員に、悟られるのが恥ずかしかったのだ。

 

恥ずかしかったが、何とか「鉢合わせ」したかった。
だから、部活が早めに終わっても、
新体操部から妻が出てきそうな時間帯まで部室の前で、
まちぶせしていた。

———————-

 

その後、大変な努力をして、妻と付き合えることになった。
高校、大学、社会人と、膨大な時間を二人きりで過ごした。
もう、まちぶせをする必要はなくなった。

 

そして結婚して、「彼女」から「妻」となり、
子供が生まれて「母親」となった。

 

妻は子ども達と過ごす時間が圧倒的に多くなり、
僕と2人きりで過ごす時間は激減した。

 

そして僕は今、またあの頃のように、妻を「まちぶせ」している。
子ども達が寝かしつけた後、妻が2階の寝室から出てきて、
1階のリビングに下りてきそうな時間を見計らって、
僕も2階の仕事部屋からノートパソコンを持って1階に降りる。

 

1階のリビングで会える夜もあるし、会えない夜もある。
いつも子育てでクタクタになっている妻は、
そのまま子ども達と一緒に眠ってしまうことが多い。

 

「今夜は妻と会えるだろうか?」
と思いながら、今夜もそろそろ、1階に降りてみようかな、と考えている。


2007年2月20日(火曜日)

妻の言葉、娘の言葉

カテゴリー: - bob_nishiyama @ 23時29分42秒

我が家の長女は現在3歳10ヶ月、あと2ヶ月で4歳である。

イッチョ前に、妻の真似をして、大人のような口を効く。

「お父さん! テレビ見ながら食べたら、こぼすよ!」

「もう・・・、(タンスなどを)開けたら、閉めてよ!」

いちいち、妻にそっくりな口調、表情、態度で言うので、

妻のコピーを見ているようで、ほほえましい。

 

そんなある晩、その事件は起こった・・・。

 

———————-

夕食を食べた後、僕はリビングの床の上にアグラをかいて、

その上に上の子を抱いて、みのもんたの動物番組を見ていた。

その内容をみて、天真爛漫に喜ぶ娘の姿が、無性に愛おしくなり、

ムツゴロウさんのように、娘を後ろから抱きしめて、

「くぅ〜! かわいい奴じゃのう! わしの子供とは思えんわ〜!」

と、きつめのハグをしてやった。

いつもなら、キャッキャ言って喜ぶ娘だが、

急に真顔になって僕の腕を振り払うと、

搾り出すように、こう言った。

「・・・やめてよ・・・、今、そういう気分じゃないのよ・・・」

その瞬間、僕とテーブルの上を片付けていた妻は、固まった・・・(^_^;)

 

一体、いつ、どこでそんな言い回しを覚えてくるんだ!

・・・ちなみに、私の妻は、そんな言い方はせんよ・・・(ーー;)


2006年6月25日(日曜日)

妻は見ていた!

カテゴリー: - bob_nishiyama @ 14時15分07秒

今、広島地方で、ある結婚式場がこんなテレビCMをしている。

小学1年生くらいの女の子が、「お父さん!」と言って、新聞を持ってくる。
場面が変わって、また「お父さん!」と言って、今度は黒いカバンを持ってくる。ここまでは、セピア調の画質である。

最後にセピア調でない天然色の画面になり、「…お父さん」と、
これから披露宴に臨むウェディングドレスを着た20才代の女性が、
お父さんを見つめて涙ぐんでいる。

約2年前、晩御飯を食べながら初めてこのCMを見たとき、
私は思わず箸を止めて固まってしまった。
当時2歳と0歳だった2人の娘と、父親である私の将来に、オーバーラップさせてしまったのである。
思わず涙ぐんで、妻に気味悪がられた。

…そして誠に恥ずかしながら、今、のぞみ67号広島行きの車内でここまで書きながら、
またもや涙ぐんでいるのであります。

この「お父さん!」のCMを見てしまって以来、
「2人の娘も、いつかワケの分からん男と家を出て行く」
という逃れようのない事実をに、時々想いをはせるようになった。

そんなある晩のこと。
娘たちを寝かしつけ、妻も眠った後、
自宅の2階で仕事をしていた。
夜中の2時すぎに仕事は終わったが、
何となく眠たくなかったので、これまでデジカメで撮った写真を、
パソコンに取り込んで、整理することにした。

そのほとんどが、2人の娘たちを撮影したものである。
可愛いな〜、と思いながらフォルダに分けていると、
上の娘の横顔を写したある写真に目が釘付けになった。
その横顔が、件のテレビCMで、嫁ぐことになったウェディングドレス姿の女性が、
「・・・お父さん」とつぶやくときの表情に、良く似ていたのである。

(おいおい、どうしたんだ、がまんしろ、がまんしろ)

と思いながら、両目から涙が一つ、また一つ・・・、
気がつくと、北の国からの黒板五郎のように、
鼻水までも滴らせながら、机に顔を伏せて嗚咽していた。

(神よ、あなたは別れの辛さを味あわせるために、
出会いと言う喜びをお与えになったのですか!)

普段は神のことなんか一切考えないくせに、
なぜかこの時ばかりはこんなことを考えながら、
久々に号泣した。

どれくらい泣き続けたのだろう。
多分、少なくとも10分は泣いていたのではないかと思う。

ようやく涙も収まり、ティッシュを取って鼻をかみながら後ろを向いたとき、
「うわっ!」
おもわず声をあげてしまった。

なんと、ドアが10センチくらい開いていて、
妻が怯えるような、
軽蔑するようなまなざしで、僕を見つめているのである。
電気ついていない、真っ暗な廊下から・・・。

「どうしたん? 何か嫌なことがあったん?」
「いや・・・実は・・・」
事の成り行きを話すと、
「バカじゃないの! まだ2才と0才でしょ! 今からそんなので、どうするんね! 早く寝んさい!」

妻に怒られてシュンとなって、
パソコンの電源を落として、
部屋の電気を消して、寝室の布団に入った。

布団に入って、色々考えていると、
また悲しくなって、涙が出てきた。

妻にばれないように、声を押し殺して泣いていると、
「はあ〜あ!」
と、妻がわざと聞こえるようにため息をついた。


2006年6月16日(金曜日)

恐怖の“強制ねんね執行部屋” 〈後編〉

カテゴリー: - bob_nishiyama @ 16時08分27秒

ある晩の事である。
その日も下の娘がなかなか眠らず、
妻が手を焼いていた。

僕は娘を抱き上げ、
「強制ねんね執行部屋」に連れて行った。

今夜も執行部屋は、街灯の明かりが
カーテンの間からわずかな隙間から差し込んでいるだけで、
ほぼ真っ暗である。

僕はいつものように、娘を横抱きにして、
強制ねんね部屋の中を往復し始めた。

普通に歩いたり、ちょっと早めに歩いたり、
時に縦の揺さぶりを強めにかけたりしながら、
娘に心地よい振動を与える。

僕の腕の中でゴソゴソしていた娘は、
いつものように30往復ほどすると全く動かなくなった。
(もう眠ったようだな・・・)
と思って、娘の顔を見る。
(・・・ん?)
娘が、黒目がちの目をパッチリと開けて、
無表情で、僕の顔を見上げている。
思わず、背筋が冷たいものが走った。

いつもならとっくに眠っているはずの娘が、
目を開いていたことも怖かったが、
それ以上に、今まで見たことのないような、
まったく感情を押し殺した目で、
僕を見上げていた・・・1歳になったばかりの子が・・・
ということが、怖く、慌てて顔を上げて目を逸らした。

部屋は真っ暗で、しかも僕は近眼なので、見間違えたのかもしれない。
3往復ほどして、気持ちを落ち着かせて、もう一度娘の顔を見てみた。

(・・・やはり、無表情に、目を開いている・・・!?
いや、ちゃんと、眠っている?
いやいや、やはり起きているのか・・・?)

こうなると、頭の中が混乱して、暗いし近眼だし、
見れば見るほど、娘の目が、開いているのかどうかどうか、
よく分からなくなってくる。

そして、目を凝らせば凝らすほど、
無表情な二つの目が、真っ暗な底なしの井戸のように見える。

この時、(娘には大変悪いが)抱いていた可愛いわが子が、
いつの間にか、映画『チャイルドプレイ』の、
チャッキーにすり替わっていたような恐怖を覚えた。

「・・・う、うわ・・・」
僕は一応、娘を驚かせない程度に小さな声を出して、
急いで“ねんね強制部屋”を飛び出した。
そして、上の娘と妻が寝ている寝室に入った。

寝室には、オレンジ色の小さな電気が点いている。
その明かりの下で、腕に抱いている娘の顔を、
おそるおそる覗き込むと・・・、
よかった、ちゃんと目をつぶって、眠っている。

「やはり、さっきのは見間違いだったんだ・・・」
夜道を歩いていて、ちょっとした恐怖心に駆られると、、
柳の木が幽霊に見えるみたいに、
単なる勘違いだったんだな・・・。

僕は安心して、娘をおこさないように、
そーっと布団の上に寝かせた。
そして彼女の首の後ろに回した腕を、そーっと抜き取った。

「ふぅ・・・」

小さなため息をついて自分の布団に戻ろうとしたとき、
娘の小さな口元が、「ニヤリ」と笑った。


2006年6月8日(木曜日)

恐怖の「強制ねんね執行部屋」 〈前編〉

カテゴリー: - bob_nishiyama @ 17時03分50秒

 我が家の2階の寝室の隣には、
6畳ほどの部屋がある。
 タンスが2つと縦長の姿見(鏡)があるだけの、
 何てことない部屋だが、この部屋が夜になると、
 どんな悪い子も必ず眠りの世界に引きずり込むことのできる、
 「恐怖の強制ねんね執行部屋」となる・・・。

——————

うちには、3歳と1歳の2人の女の子がいる。
夜になって下の1歳の方が寝付かない時は、
僕が横抱きにしてこの「ねんね執行部屋」に連れて行く。
そして部屋を真っ暗にして、何度もこの部屋を往復する。
大体片道6歩、往復すると合計12歩である。
すると、昼間にどんなに昼寝をしていても、いくら興奮して暴れていても、
およそ30〜40往復すれば、
まぶたが重くなってウトウトし始める。

そしてさらに、60〜70往復もすれば、
ほぼ完全に眠る。
念のために合計100往復して寝室に戻れば、布団の上に寝かせても起きない。そのまま静かに眠ってくれる。

3歳になった上の子も、2歳くらいまでは「ねんね執行部屋」に行くと、
大人しく寝てくれていた。
今は外で遊ぶようになり、昼寝もほとんどしなくなったので、
夜になったらグズグズ言いながらも眠ってくれるようになった。

 「どんなに眠らない悪い子も、ねんね執行役員の僕にかかれば、
完全にイニシアティブを掌握できる・・・」そんな自負が僕にあった。

しかし、ある夜、僕は下の娘によって、
想いも寄らぬ復讐の恐怖を味わうことになる・・・〈後編に続く〉


2006年5月27日(土曜日)

[無題]

カテゴリー: - suksuknet @ 09時52分24秒

お父さんが仕事に行く時は、

手の平だけでなく、

顔もこっちに向けて欲しい。


2006年5月23日(火曜日)

そんなんで良いのか?!

カテゴリー: - bob_nishiyama @ 00時46分50秒

 実は今、僕の嫁のお腹には2人目の子供がいる。
 ある晩、嫁に「お腹の子、今、何ヶ月だっけ?」と聞くと
 「えーっと・・・さあ?・・・3ヶ月くらい?」
 「おいおい!そんなんで良いのか?!」

 さらに、
 「出産予定日はいつだっったっけ?」
 「えーっと・・・4月・・・何日だったっけ?」
 「おいおいおい!そんなんで良いのか?!」

 1人目の時は、嫁と2人で出産予定日まで指折り数えて、
 「今日から○○カ月目!」とか言っていた。しかし2人目の、
 今回は僕も嫁も全く把握していなかった。

 1人目の時は、常に嫁のお腹には赤ちゃんがいることを意識
 して、できるだけ家事などを手伝っていた。しかし今回は1
 日の内で、ほとんどそのことを忘れている。最近はだいぶ
 お腹が出てきたので、意識するようになったけど・・・。

 こんな僕だけど、実は2人目の子供のために、こんな準備を
 している。
 僕は妹との2人兄妹だが、妹の写真は極端に少なく、アルバ
 ムも薄かった。やはり、2人目となると、親の興味も薄れて
 しまうのだろう。
 そのことが内心「かわいそうだな〜」と思っていたので、1
 人目が生まれた時、写真をとりたい気持ちをグッと我慢し
 て、できるだけ撮らないようにしてきた。
 
 2人目が生まれたら、ちびまる子ちゃんに出てくる写真好き
 のお父さんのように、写真を撮りまくるつもりである。
 
 可愛い子が2人並ぶ日が、とても楽しみである。


子供のように

カテゴリー: - bob_nishiyama @ 00時45分25秒

 以前、「妻をデートに誘ったが断られた!」
 というお話を書いた。

 それから4カ月、ついに念願が叶って妻と2人きりで、コ
 ンサートに行くことができた。
 
 別に、妻と2人ででかけることなど、独身時代はイヤとい
 うほどしてきたので、どーってことない、と思っていたが、
 違った。 

 僕の実家に1歳7カ月の娘を預けて、車に乗り込んだ瞬間
 に、緊張して妻の顔をまともに見ることができなかった。

 彼女が助手席に乗るのは実に久しぶりだ。いつもは後部座
 席で、チャイルドシートに座っている娘の相手をしている。
 ずっと前だけ見て、すこし宙に浮いたような会話をする。

 コンサートが始まるまで、何を話して良いか分からずにド
 ギマギし、始まったら始まったで、隣の席でちゃんと楽し
 んでいるかどうか気になる。

 コンサートが終わった後、どこか食事に行くことになった
 が、恋人同士が行くようなオシャレな店に行くと、恥かし
 くてどうにかなりそうだったので、店中をダシ汁で煮しめ
 たような、古いおでん屋に行った。
 
 出かける前は、どこかで日頃のことをねぎらう、感謝の言
 葉の一つでもかけようと思っていたが、結局コンサートの
 感想を言いあいながらおでんを食べて、帰った。

 純情ぶるつもりはないけど、勇気を振り絞って初めて妻を
 デートに誘った時の気持ち、居心地の悪さに似ていた。

 もう当分、妻と2人きりで出かけるのはゴメンだと思った。
 


それが愛だ2

カテゴリー: - bob_nishiyama @ 00時43分55秒

 僕のカゼが治ったと思ったら、今度は1歳7ヶ月の娘がズル
 ズルと鼻水を出し始めた。

 鼻で息が出来ないので、特に寝ている時など息苦しそうだ。

 ティッシュを鼻にあてて「チュン!って、してみんさい」
 と教えても、まだ「鼻をかむ」ということが分からず、
 ズルズルッと鼻水を吸い込んでしまう。

 そしてしばらくすると、昔読んだマンガの「まことちゃん」
 みたいに、ダラーっと鼻水が垂れてくる。

 見ててあまりに可愛そうなので、娘を抱き寄せて口で鼻水
 をズズーッと吸ってみた。

 口の中に入った娘の鼻水は、立派に大人と同じショッパイ
 味がした。
 
 吸い終わった後、娘は鼻が通って気分が良いらしく、僕に
 向かってニコッと笑った。

 しかし、中学生くらいになってこの時のことを話すと、
 「ゲー!オヤジに鼻吸われたの?マジィ!」と嫌がるだろ
 うな〜、と考えていて、ふと、自分の母親について思い出
 した。

 思春期を迎えて以来、僕は母親に対してけっこうヒドイこ
 とを言ってきた。
  「うるせえ!」「干渉するな!」「ババア!」
 そんな時、母親は決まって悲しそうな顔をしていた。

 大学生だったある時、テレビを見ながら話していると、僕
 が小さい頃にカゼを引き、鼻水を母親が口で吸い取ったと
 いう話になり、「うげげー!気持ち悪い!」と言って母を
 見ると、なぜかその時だけはニコニコしていて、ちょっと
 違和感をおぼえた・・・ということを思い出した。

 初めて娘の鼻水を吸ってみて思ったのは、あの時の母親は、
 僕がどんなに嫌がろうと、鼻水を吸いとってやった、とい
 う行為に絶対的な自信を持っていたのだと思う。だからあ
 の時だけは、笑っていたんだ。

 いくら相手が嫌がろうと、こちらが良いと思うことを、精
 一杯してあげる・・・これも愛かもしれない。
 (いきすぎたら、ストーカーとかになっちゃうけど)


一蓮托生

カテゴリー: - bob_nishiyama @ 00時43分17秒

 ここ最近、飲み会が続き、暴飲暴食と寝不足がたたって、
 風邪を引いてしまった。
 咳と鼻水が止まらない。

 いつもは、妻と1歳7ヶ月の娘と3人で同じ部屋に寝るのだ
 が、うつしてはいけないと思って、僕だけ別の部屋に寝た。

 その次の日の朝のことである。
 また少し痛い頭をさすりながら起きると、眠そうな顔で
 朝食を用意していた妻が、
 「昨日の夜、あやちゃん(娘の名前)が、何回も起きて、
 『とーたんは?とーたんは?』って聞くから、眠れなか
 ったわよ」
 と言った。

 僕は風邪を引いてしまったこと以前に、妻と娘に悪いこ
 とをしたな〜、と思った。
 
 当たり前のことだが、僕と家族は一蓮托生、風邪を引い
 たら、それをうつすかもしれないというリスクがあり、
 別の部屋で寝れば、寂しがって不安がらせるリスクもあ
 る。

 とりあえず、娘がこの家を巣立つまで、健康で前向きに
 がんばろうと思った出来事であった。


・・・仕事しろよ!

カテゴリー: - bob_nishiyama @ 00時42分28秒

 うちの嫁は織田裕二の大ファンである。で、最近始まった
 月曜日9時の『ラストクリスマス』というドラマを、欠か
 さず見ている。

 僕は横で1歳半の娘と遊びながら、チラチラとテレビと
 嫁の横顔を見る。その目は真剣そのものである。

 ドラマの内容を一言で説明すると、オフィスラブである。

 「オマエ、アイツのこと好きなんだろ」
 「でも、アイツはアノコが好きなの・・・」
 「アノコは結婚すんじゃん!オマエ、アイツに告白しろよ」
 「でも私は、アイツがアノコと結ばれるのを、応援するの」
 「何言ってんだよ!自分の気持ちを、大事にしてやれよ!」

 そんな話を、仕事中とか家に帰っても延々している。
 はっきりいって、仕事をしているシーンはほとんど無い。
 仕事中に恋の話をあーでもない、こーでもないと喋っている
 と思ったら、すぐに昼休みになって、A定食を食べている。

 一応、ひとりシャチョーである僕は、
 (こんな社員ばっかりだったら、会社潰れちゃうじゃん・・・)
 と段々イライラしてきて、
 「こいつら、さっさと結婚して、仕事せーや!」
 と、思わずシャウトした。即座に、
 「ドラマじゃん!黙っとってや!」
 と嫁に怒られた。

 昔は、わりと素直にこの手の恋愛ドラマを見ていて、それな
 りに感動していた気がするが、仕事の方が気になるとは・・・、
 僕もワーカーホリックなオッサンになったのであろうか?

 また、本当はドラマの内容ではなくて、嫁が織田裕二に夢中
 であることに嫉妬しているのかもしれないな〜と思った。

 子は親の背中を見て育つと言う。
 嫁と娘が2人して、カッコイイ俳優に熱を上げる日も、そう
 遠くない気がする。


それが愛だ

カテゴリー: - bob_nishiyama @ 00時41分48秒

ある夫婦の会話。
  
  妻「バカじゃないの?何を考えてるのよ!もー最低!」
  夫「うっさい!お前こそ最低じゃ!」
 
 しかし夫も妻もそれぞれ、家の外では、もっと最低な人に
 会って、クソ嫌な思いをさせられることも、あったりする。
 
 でも決して、こんな風にキレて罵ったりしない。
 腹で怒って顔で笑って、円滑な人間関係を保とうと、必至
 に努力していたりする。

 だから、思い切って罵り合える関係、それは愛だ。
 
 —————-
 
 死刑が確定したある犯罪者の、母親の一言。

 「でもあの子は、昔から思いやりのある良い子なんです。
 きっと、何かの間違いなんです」

 被害者の家族はこの一言を、ハラワタが煮えくり返る気
 持ちで聞き、マスコミも一斉に非難した。

 しかし、これも愛だ。

 —————-

 爆弾が落とされた、ある町での出来事。

 「おばちゃん!助けて!」
 火の海の中、近所の子供がガレキの下から叫んでいる。

 その子供が火に包まれるのは時間の問題。
 しかし、呼ばれたおばちゃんは近所の子供を無視し、自分
 の子供だけを救い出すと、そのまま逃げた。

 ひどいと思う?
 でも、これも愛だ。

 —————-

 40年連れ添った、ある老夫婦の会話。

  妻「ねえ、あなた・・・」
  夫「・・・・・・あ?」
  妻「実は・・・いや、何でもないわ・・・」

 実は、妻は夫と結婚する前に、別に愛した人がいた。
 訳あってその人とは一緒になれず、現在の夫と結婚した。
 しかし妻の気持ちは、ずっと過去の人に向かっていた。
 今の夫と結婚したことを、ずっと後悔していた。
 
 そのことを夫に正直に告げようとして、やっぱり止めた。

 これも愛だ。

 —————-

 最近、ボンヤリと考え事をしていて、
 「愛って、素敵なもののような印象があるけど、実は自分
 を含めた人間という生き物は、愛という名の下に、ずいぶ
 んとヒドイこともするよな〜」
 という感慨が沸いてきて、4つのお話を考えてみました。

 ちなみに、最初の夫婦ゲンカの話は、ボブ家の実話を元に
 した、フィクションです!(^凹^;)ガハハ!

 (※ちなみに、あとの3つは完全にフィクションです。)


ジャニーズ・コンプレックス

カテゴリー: - bob_nishiyama @ 00時41分08秒

 ある飲み屋での出来事である。私の斜め前には見知らぬ若
 い男性が座っていて、その横にはいつも仕事でお世話にな
 っている、女性経営者の方が座っている。
 
 「ねえ西山さん、この方、誰だかわかる?ご存知のはずな
 んだけど」

 そう言って女性経営者が、横の男性を紹介する。

 「いやー・・・、ちょっと存じ上げませんね〜」

 少し失礼かな、と思いながら、その男性の顔をじっと見つ
 める。相手は、モジモジしながら苦笑いをしている。

 黒っぽいシャツを着て、全体的に小太りな印象の男性であ
 る。24、5歳と言った所か。まぶたが少しはれぼったい
 感じだが、全体的に愛嬌のある顔をしている。

 「絶対、テレビで見たことがあると思うんだけど・・・、
 ほら、ジャニーズのタッキー!滝沢くんよ!」

 「ええー!?」
 
 「ウソだろー!」という言葉を、あわてて飲み込んだ。
 はっきり言って、顔も体型もテレビで見るタッキーとは、
 あまりにかけ離れ過ぎている。
 
 「そうやって、いつも驚かれるんですけど、本当なんです」

 と、タッキーだと紹介された男性が、初めて口を開いた。

 「実はメイクとちょっとした小細工で、あの顔になれるん
 です」

 そう言うと、(自称)タッキーはメイク道具の箱を取り出
 し、フタの裏についた鏡をみながら、手際よく化粧を始め
 た。本当に、あっという間に、タッキーの顔になった。
 「ウソだろー!」
 今度ばかりはガマンできずに言ってしまった。

 しかし顔はタッキーだが、体型は小太りのままである。
 体型の方は、どうするんだろう?聞いても良いだろうか?
 と迷っていると、タッキーが再び口を開いた。

 「西山さんも、ちょっとイジれば、ジャニーズ顔になれま
 すよ、やってみます?」

 酒が入って酔っていたし、あまりに意外な展開の連続に、
 完全に舞い上がっていた。
 僕は二つ返事でメイクをしてもらうことにした。
 
 「はい、どうぞ」

 数分後、タッキーの手によるメイクが終わった。
 僕は恐る恐る鏡を覗き込む…果たして、そこにはキムタク
 のような顔になった僕がいた。って言うかむしろ、キムタ
 クの顔、そのものだった。
 女性経営者も、息を飲んで目を見開いている。
 
 ただ、髪の毛がグリグリの天然パーマのままで、顔とのギ
 ャップがすごい。
 「これもなんとかなりませんかね?」と、頼んでも良い物
 かどうか、迷っている所で・・・目が覚めた。

 いつもの布団から起き出しながら、自分では完全に解脱し
 たつもりでいたが、未だに意識のどこかでルックスに執着
 している自分がいることに気がつき、驚いた。

 仕事から帰ると妻にお使いを頼まれて、全部着替えるのが
 面倒だったので、上半身はワイシャツにネクタイ、下半身
 は中身が見えてしまいそうな短パン、足は黒い靴下にスニ
 ーカーというオジン・スタイルで近所のスーパーに買い物
 に行き、
 「もうちょっと着る物に気を使ってよ!」
 と、妻に怒られたのは、つい2.3日前のことである。


昼間のパパに、娘からのメッセージ

カテゴリー: - bob_nishiyama @ 00時39分52秒

 先日、あるお客様と、ある仕事について、胃が痛くなるよ
 うな打合せを1時間近く行った。

 様々な状況と条件が交錯して、なかなか話がまとまらない。
 なおかつ短時間で多くのことを決めねばならず、僕もお客
 様も、イライラが募る。

 そして時々、重〜い沈黙が流れる。

 僕は手持ちぶさたで、胸ポケットに挿していたシャーペン
 を取り出し、親指でカチャカチャとノックし、そして出て
 きたシャーペンの芯を片方の人差し指で中に戻し、またカ
 チャカチャと芯を出す、という動作を繰り返していた。
 
 ふと、ノックするのをやめて、シャーペンのキャップを取
 った。その中には小さい消しゴムが入っているのだが、よ
 く見ると、不自然な凹みが、横に2つ並んでついている。

 一体、なんなんだろう?この凹みは・・・?と思いながら、
 打合せを続ける。

 ふとした瞬間に、その凹みの正体がわかって、思わず吹き
 出してしまった。

 これは1歳5ヶ月になる、娘の歯型だ!

 娘は僕が家に帰ると一目散に飛んできてむしゃぶりつき、
 抱き上げると胸ポケットのシャーペンやボールペン、名刺
 入れを珍しそうに取り出す。僕よりも、これらのグッズが
 目的のようである。
 
 名刺はグチャグチャにされると困るので、いつもペンだけ
 渡してから、着替えたりご飯を食べたりしている。
 
 きっと、僕が見ていないスキにキャップを外して、前歯で
 消しゴムを噛んでみたのだろう。

 美味しそうに見えたんだろうか?
 食べてみたけど、まずくて途中で止めたんだろうか?

 などと想像してみるとおかしくて、ニヤニヤしていると、
 「え?何か面白いことがあったんすか?」
 と、重〜い雰囲気にウンザリしていたお客さんも興味を示
 され、それで何となく場の空気がほぐれて、その後の打合
 せは、サクサク進めることができた。

 娘よ、ありがとう!
 でも消しゴムは危ないから、二度と食べるなよ!
 


失われた音

カテゴリー: - bob_nishiyama @ 00時39分06秒

 妻が1歳5ヶ月の娘を連れて、5日間ほど実家に帰った。
 僕は家に残り、それなりに独りの生活を楽しみ、それなり
 に寂しさを感じた。

 妻や娘に振り回されずに、仕事や読書などに集中できるこ
 とは、非常に良かった。
 シンと静まり返った部屋で、集中して色んな事を片付ける
 ことが出来た。

 しかし逆に、夜寝る時にはその静けさが妙な不安感を掻き
 立てた。考えても仕方の無い、将来に対する漠然とした不
 安だった。

 6日目に妻と娘が帰ってきて、それなりに孤独からの開放
 に喜び、それなりに独りの生活が終わる寂しさを感じた。

 夜、布団に入ると、隣から娘のスース-と寝息が聞こえる。
 階下からは水道から水がジャージャー流れる音と、食器がカ
 チャカチャとこすれあう音が聞こえる。妻が夕食の後片付け
 をしている音だ。

 やがてキュッキュッと蛇口を閉める音がして、バサバサと
 僕が読み散らかした新聞をたたむ音がして、パチパチと電
 気を消す音がして、ギシギシと妻が階段を登ってくる音が
 する。

 5日間、失われていた音を聞きながら、失われていた安心
 感を思い出しながら、久々に心地よくまどろんだ。


少子化なのね〜

カテゴリー: - bob_nishiyama @ 00時38分20秒

 僕の妻は、少なくとも月に1回は、1歳5ヶ月になる娘を連
 れて、色んな幼稚園や保育園の「体験入園」に行っている。

 まだ当分、娘をそう言うところに預ける予定は無い。
 しかし、見学したらどんな教育をしているか見ることが出
 来るし、お土産をもらえたりもするので、近所の同じくら
 いの子供がいるお母さん達と誘い合って行っている。
 
 要するに、少子化で子供の数が少ないので、小さいうちか
 ら囲い込んでおく、いわゆる「青田刈り」なのである。

 僕は昭和49年生まれの30歳で、ちょうど第2次ベビーブー
 ムの中でも、もっとも人口が多い世代である。
 
 僕が幼稚園に行く年齢になった時、親は月謝の安い近所の
 公立の幼稚園に行かせたかったそうだが、あまりに人数が
 多いので「抽選会」なるものが開かれた。その会場に、母
 親に手を引かれて行ったのを良く覚えている。

 その公立の幼稚園のグランドにわんさか人がいて、テーブ
 ルの前に順番に並んでいる。そしてひとりずつペン立ての
 ような物に入ったハシのような棒を引いている。僕と母親
 の順番が来て、母親に「そのお箸をとりなさい」と言われ、
 その通りにした。何の目印も無い、普通のハシだった。テ
 ーブルに座っていた知らないおばさんと、母親が「あーあ」
 「残念ね・・・」と言った。
 
 僕は、なんだかとても悪いことをしてしまったような気に
 なって、すっごくブルーになってしまった。
 で、僕は結局、月謝の高い私立の幼稚園に、2年間通った。

 そんなわけだから、幼稚園の体験入園なんて行ったことが
 ない。
 1歳5ヶ月から見学のお声がかかる娘を、ちょっとうらやま
 しく感じたと同時に、大丈夫だろうか?という気持ちにも
 なった。

 少ない人数で、将来の日本を背負わされる娘には、どんな
 未来が待っているのだろう?

 「幼稚園から大学まで、選び放題で、好きにさせてあげた
 でしょ!社会人になったからには、世の中のためにしっか
 り働いてよ!」なんてことになるのではなかろうか?

 「世の中のために」という生き方は、もちろん素晴らしい
 し、娘にもそういう考え方も持って欲しいと思う。

 しかし、多少は自分のやりたい事や、生き方を選択できる
 世の中であって欲しいし、そういう世の中を渡してやれる
 ように、僕も頑張らないといけないな〜、と思った。
 ・・・と言っても、具体的にどう頑張ればよいのか、よく分
 からないのだけど・・・(^-^;


クマのプー●んと、マツタケ

カテゴリー: - bob_nishiyama @ 00時37分40秒

 1歳4ヶ月になる娘は、ディ●ニーの「クマの●ーさん」
 が大好きである。

 どれくらい好きかというと、朝目が覚めると一番に、
 「●ーちゃん!プ●ちゃん!」
 と言ってヌイグルミを探し、ギュッと抱きしめて、オハ
 ヨウのチューをするくらいなのである。
 お昼寝の時も、同様である。

 先日、親子で近所の大型ショッピングセンターに行った。
 そこには、ディズ●ーのショップがある。
 買ってやるつもりはないのだが、●ーさんグッズを見せ
 たら娘も喜ぶだろうと思い、その店の中に入った。

 そして、天井から床まで、プーさ●がギッシリ詰まってい
 る棚の前まできて、
 「ほら、見てごらん〜こんなたくさんプ●ちゃんが・・・」
 と言いながら、ダッコしていた娘の顔を見ると・・・、
 眉毛をハの字にして、おびえていた。

 いつものように「キャー!」と言って、喜ぶと思ってい
 たのだが、全く予想外の反応に、僕も驚いてしまった。

 「どうしたん?プー●ゃんが、たくさんいるよ?」
 と言って、娘を棚に近づけても、イヤイヤと首を振る。

 仕方がないので、早々にその店を後にした。

 僕はなぜかご機嫌ナナメになってしまった娘を抱いて歩
 きながら、数年前の秋の、ある出来事を思い出した。

 その秋のある日、知り合いの社長さんから、
 「ボブ君、マツタケは好きか?」
 と聞かれた。僕は、
 「はい!大好きです!」
 と即答した。
 「そうか、実は知りあいからマツタケを大量にもらった
 んだよ。で、今夜うちで鍋をするから、来ないか?!」
 「わーい!やったー!」
 で、その日、私は大喜びでその社長さんのお宅に行った。

 居間に通されると、果たしてテーブルの上に、マツタケ
 がマジで大量に置いてあった。大き目のボールに、黒々
 としたマツタケが、山盛りになっている。

 その宴に呼ばれた人数とマツタケの数が、全く釣り合っ
 ていない・・・完全に供給過多だった。

 生まれて初めて「見ただけでご馳走さん」という気持ち
 になった。
 
 しばらくして始まった「マツタケ鍋」は、僕にとっては
 単なる「キノコ鍋」であった。
 「むしろ、普通の魚や鶏肉の鍋の方が良かった・・・」
 と思いながら、しかし、招待してくださった社長さんに
 悪いので、
 「うおー!こんなにマツタケ食えるなんてサイコ−!」
 とハイテンションを保ちながら、何とか用意されたマツ
 タケを平らげた。

 その社長さんも、最後の方になると「これじゃ食いきれ
 んな・・・」と眉間にシワを寄せてマツタケを憎々しげに
 見つめ、鷲づかみで鍋にドカドカ入れていた。

 第三者から見れば、マツタケをたくさん食べれたことは、
 幸せなことかもしれないが、その時の我々は、決して幸
 せではなかった・・・と思う。(社長さん、すいません!)

 この時、「ああ、マツタケって数が少ないのを、ありが
 たがって食うモノなんだな」と、つくづく思った。

 ひょっとしたら大量のプーさ●を目の前にして、娘も
 そんな気持ちだったのかもしれない。

 十分に足りていることが、決して幸せなことではない、
 ということを親子で学んだ、2004年の秋であった。


したたかな女

カテゴリー: - bob_nishiyama @ 00時36分53秒

 1歳4ヶ月になった娘は、「にゃんにゃん」「わんわん」
 「まんま」「かあちゃん」など、4〜5音程度の短い言葉
 なら、スピーキングできるようになった。

 そして僕や妻の言葉のヒアリングもだいぶ上達して、
 「これを、お母さんに渡しといて」とか「ゴミ箱に捨てて」
 と頼むと、得意げに微笑みながら任務を全うしてくれる。

 さらには、僕と妻が「今日のおかずは何にしようか?」と
 相談していると、これからご飯を食べるのがわかるようで、
 「まんま!まんま!」と言って、子供用の食卓イスによじ
 登ろうとする。

 前までは子供の前で、平気でヘンなことを言っていたが、
 今度からはちゃんと気をつけないといけない。
 
 さて、そんなある晩、9時を過ぎたので、落書きに興じて
 いる娘に、「よし、そろそろ寝ようか」と声をかけた。
 すると、娘は「何を言っているのかわからないわ?」と言
 う感じで首を傾げて、また落書き帳に視線を落とした。
 「もう遅いんだから、寝ないと」と再度言うと、やっぱり
 「え?何のこと?」と首を傾げる。

 その仕草に、1才児ながら妙に作為的なものを感じ、
 「おい!本当はお父さんの言ってること、分かってるだろ
 ?」と、顔を覗き込むと、ニコッと笑って、その後に、
 「イーッ!」と歯を剥き出しにして、ケタケタ笑い始めた。

 僕はその仕草が小憎らしくて可愛くてたまらず、
 「こりゃー!」と言って、娘を抱きしめてしまった。

 単なる偶然かも知れないが、多分、娘は我々が思う以上に、
 物事を分かっているような気がする・・・。


それ、誰?

カテゴリー: - bob_nishiyama @ 00時36分05秒

 夜、仕事から帰ってご飯を食べていると、妻が、
 「今日、田中さん(仮名)がね〜」
 と、全く僕の知らない人のことを、話し出すことがある。

 「その田中さんって、誰?」
 妻の話をさえぎって、質問すると、
 「うちの子より3ヶ月早く生まれた男の子がいるお母さん
 で、私より2歳上で・・・」
 と、一通り説明してくれる。
 
 何気ない生活のワンシーンだが、僕にとっては実に感慨深
 い一瞬だったりする。

 出産と同時に今のアパートに引越してきた頃は、ご近所
 に知り合いがいないので、1日中子供と2人きりでいる妻
 が寂しそうで、かわいそうに思ったことがあった。

 表立った問題は起こらなかったが、初めての土地での、
 初めての子育てということで、今思うとけっこう精神的に
 キツイ面もあったと思う。

 しかし、外遊びが大好きな1歳4ヶ月の娘のおかげで、次
 々とママ友達ができ、最近では毎晩のように、僕の知らな
 いご近所さんの話が出てくる。

 そんな、以前に比べると、ずっと楽しそうでイキイキして
 いる妻を頼もしく見つめていると、こんなことを話し始め
 た。

 「・・・でね、その田中さんが、こないだレンタルビデオ屋
  で、あなたを見たんですって」

 ちなみにそのビデオ屋は、すぐ近所にあって、マンガも貸
 してくれるので、気に入っていてよく利用している。

 「その時あなた、何かのマンガを立ち読みながら、ニヤ
 ニヤしてたって・・・もう、恥かしいから、やめてよ〜」

 眉間にシワを寄せて、非難的な視線を向けてくる妻に、

 「ああ、『課長バカ一代』っていう、ギャグマンガ読んで
 た時だ。ゴメンゴメン・・・」

 と妻に謝りながら、僕は重大なことに気がつき、背筋が凍
 りついた。

 確かあの日、僕はマンガを立ち読みしたあと、裸のお姉さ
 んばかりが出演しているビデオコーナーに行って、
 「うーん、けしからん!実に、けしからん!」
 と、独り言を言いながら、その区域に展示された映像作品
 を細かくチェックしてから、家路についたのであった。

 まさかその様子も、田中さんというママさんは見ていたの
 だろうか?
 ひょっとしたら、僕の妻には言わなくて、他のお母さん方
 に言いふらしているかもしれない・・・。

 妻に「今度田中さん会ったら、それも見たか聞いといてくれ」
 と頼むわけにも行かず、その日は悶々としながら床についた。
 
 普段、近所のビデオ店では、18歳以上コーナーには入ら
 ないようにしているのだが、その日は遅い時間だったし、
 客も少なく、顔見知りの人もいないようだったので、
 「まあ、大丈夫だろう」と、タカをくくって、つい入ってし
 まった。

 妻がドンドンご近所のお友達を作るのは良いが、「僕は相手
 を知らないが、相手は僕を知っている」という、どこに密告
 者が隠れているのか、わからない状況が助長されていくのは、
 誠に困ったことである。


子供のかわいさを超えるほどの・・・?

カテゴリー: - bob_nishiyama @ 00時35分13秒

子供が赤ちゃんから幼稚園くらいの、俗に「一番かわいい
 時」といわれる時期に、離婚して家を出た男性を、何人か
 知っている。

 自分が今、1歳4ヶ月の超カワイイ娘の父親になってみて、
 そういう方たちについて疑問に思うのは「こんなにカワイ
 イ子を捨ててまでの離婚って、一体、なにがあったのだろ
 う?」
 
 ・・・決して、ご本人達を目の前にして、絶対に聞くことは
 できないが・・・。

 離婚の原因は奥さんとの不仲だとするなら、相当に関係が
 コジれていたのかな〜、と思う。
 我が家も相当にコジれることがあるが、今のところ、娘の
 存在と、夜のスキンシップで回避できている(笑)。

 が、長い夫婦生活の先には、それだけでは解決できないよ
 うな、我々の知らない深い問題が、待ちかまえているのか
 もしれない。

 離婚の原因が、浮気だとしたら・・・、男性の正直な気持ち
 として、僕も1歳4ヶ月の娘のかわいらしさを超えるほどの、
 魅力を持つ女性に、夢中になってみたいものである・・・と
 言うのは、あまりにも軽薄すぎるだろうか?

 何を基準に「幸せ」と言うかは人それぞれだと思うが、
 離婚するとその当事者はもちろん、周囲の人も不幸になる
 傾向が強いようである。
 特に、そのお子さんは、シンドイ思いをする人が多い、
 ようである。

 嫁に対してどんなに腹が立っても、すぐに許せる素直さと、
 よその美人に惑わされない意思の強さを、持てるように、
 心がけたいものである。


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